2005年11月前半 11/3 『なぜロリコン(養女)に走ったか』 学生時代、能力も無いのに作家なんぞを目指していたんですよ。若気の至りというやつですが。 そのころ書いたものは今見るとどれも赤面モノなのですけれども、つい先日に文芸部時代の仲間と電話で話をしていてたまたま自分の作品の話になったんです。 過去に書いたものの話をするのはかなりこっぱずかしいんですが、我慢してあらすじを言うと、 《主人公があるおねーさんと出会う。そのおねーさんは歳から考えると物事を知らなすぎるし、行動も幼稚な部分がある。主人公はそういうところを含め惹かれていく。 しかし、やはりおかしいと思い始めた主人公は、おねーさんの父親である教授と話をする。その後いろいろやりとりがあって、教授から「実は娘を痴呆(今は認知症か)にわざとしている」と聞かされる。主人公は悶々とするも、次第に娘だけでなく『痴呆』としての人生も気になるようになる……》 ってな内容なんですよ。 何だよ、この設定。ひゃーっ、はずかしーっ! ですがね、よくよく考えるとこのおねーさんが自分の究極の理想像なんですよ。 いやいや認知症の方が好きとかいう超マニアな趣向ではなく、『穢れ無き』というか『純粋な』というか…そこまで言わなくても『すれてない』おねーさんがいいなって思ってるんですよね。だって、現実のおねーさんと言えば、人を美醜で判断しキモメンには人間扱いすらしない。仮にうまくいってコトに及べたとしても、短小・早漏・包茎の三重苦だのヒドイ言われよう……現実はあまりに激しく厳しく過酷すぎるっ!!(←過去にイヤなことがあったようです)(実際上のヤツ書いてたときにはあったけど(爆)) それで考えた妄想が上に書いたおねーさんなわけですよ。前々から言ってますが私にはロリ趣味はないですし、かといって二次元にも走れない。しかしリアル世界のおねーさんは汚れきっている。ならば脳みそを幼児のままにしておくしかないじゃないですか。そうすりゃピュアな三次元のおねーさんが誕生ですよ! 最高! ブラボー!! ナイスなアイディアだとは思いませんか!? ……とはまあ思えないわけで。全くリアリティがないし。 現実にやるとしたら結局『光源氏計画』しかなくなるわけですよ。自分色に染め上げて、理想の女性を作り上げるしかないんです。『My Fair Lady』ですよ。 現実的には養女をとっていくしかないわけですが、都合のいいことに隣国は養子輸出世界一の国ですし、何とかなるかもしれないじゃないですか。これならできる! いけるぞ!! ナイスなアイディアだとは思いませんか!? ……とは言っても現実的には難しい話でして。 会社勤めの身でどうやって育てんだよだとか、金銭面とか何やらかんやらで。 結局、脳内養女を養うのがもっともベストなんじゃないかと考える昨今です。好き放題できるしね。 そういうわけだから、私はロリでもペドでもなんでもありませんよ。くどいようですが。 あー、どっかに穢れが無くて、純粋無垢で、それでいてちょっとHなつるぺたの8〜15歳ぐらいの美少女がおちてないですかねぇ。自分色に染めたりしないから。ちょっと真っ白なものをぶっかけて、塗りたくるかもしれませんけれども。 もう長年の付き合い、BESOくんからのお題で書かせていただきました。 いつもいつもありがとうございます。感謝。 11/5 妄想雑記『おとうさんと娘(養女)』 第18話 『秋の素材と娘と私』 秋も終盤戦に入ってきましたが、皆さんの今年の『○○の秋』はなんでしたか? 私はもっぱら『食欲の秋』に邁進させていただきました。特にサンマ。今年も豊漁とのことで(なんかここ数年ずっと豊漁ですが)安価でおいしいのをいいことに山ほど食べさせていただきました。漁師さんに感謝。 他にもキノコ類や果物もおいしいですよね。私が『食欲の秋』なのですから、当然娘(養女)のちせもいつもにまして食欲旺盛となっております。 「おとうさん、カキ食べたい!」 「今ごはん食べたばっかじゃないか。もうちょっと後にしなさい」 「デザートは必要でしょ? デザート、デザート♪」 甘やかしてはいけないとは思いつつも、嬉しそうな娘の顔を見るとついついカキをむいてしまう私がいます。困ったものです。 「おいしい〜。ねね、もう1コ食べてもいい?」 「ダメダメ。食べすぎは身体に毒だぞ」 「え〜」 「そんなこというなら、明日からはデザートなしだ」 「うーん……じゃあガマンする」 しぶしぶ言うことを聞くちせ。ちょっと切なそうにしている表情がGoodです。瞬時に網膜に永久保存しました。これで半世紀は反芻して楽しめます。 しかしこのままではこの後のゴールデンタイムの会話に支障が出てしまいます。話題をそれとなくそらしてくとしましょう。 「ところでな、ちせ」 「なに?」 「ほら『食欲の秋』ということばがあるだろ? 秋はいろいろおいしいものが採れるからそういう風に言われるんだが、ちせは秋の食べ物で何が好きなんだ?」 「サンマ!」 「サンマ?」 「うん。おいしいし、安いんでしょ?」 なんて安上がり…いやいや父親思いの娘でしょう。それに比べて、家計のことまで娘に気を使わせてしまって私はなんてダメなオヤジなのでしょうか……。 「なんで泣いてるの?」 「いやいや、泣いてなんかいないよ……。そうかサンマが好きなのか」 「うん。しかもサンマって長くて光っててカッコイイ感じがするし」 「短小で黒光ってなくてゴメンよ……」 「なに? 光?」 「あー、何でもないよ」 「変なの。あとね、クリも好き」 「クリの花!?」 「ちがうよ〜。あのお祭りとかで売ってる、てん…なんとかクリってあるじゃんか。アレ、おいしいよね〜」 「クリ…」 「クリとお茶があるとたくさん食べれちゃう♪」 「クリと(ry」 「そうだ! この間おばあちゃんが持ってきたマツタケ! すごいいいにおいがしたよ〜」 「クリと…マツタケ……」 「すごいよね、一本何万円もするやつもあるって、おあばちゃんいってたよ。高いんだね〜……って、おとうさん? 「ゴメンよ…マツタケじゃなくてゴメンよ……」 「おとうさん…なんで裸になってるの?」 「マツタケじゃないけど…むしろシメジっぽいけど……」 「おとうさん?」 「ちせの大好きなクリはしっかり皮むいてあげるし、舞茸は十分にかき混ぜてあげるから。秋だけに飽きがこないぐらいにね……」 「何か上手いこと言ったみたいな顔してないで……おとうさん、おとうさーーんっ!!」 「クリの花の臭いがする炊き込みご飯つくるぞーーっ!!」 …… 秋ってこわいですね。 マウさんからのお題で書かせていただきました。 お久しぶりですね。今後もよろしくお願いします。 11/7 『トウモロコシにまつわるエトセトラ』 トウモロコシはなぜウンチの中であんなにも鮮やかな黄色をもって自分を主張するのでしょうか? 科学的なことを言えばそりゃ理由も分かるけれど、私が言いたいのはそんなことではないんです。 例えば、検便のとき。 ついうっかり前日にトウモロコシを食べてしまったばかりに、トウモロコシを検便として持っていかねばならないことになったとしたら。 それだけならまだしも、検便の結果で『100%まごうことなきトウモロコシです』と書かれてしまったとしたら。 例えば、初めて彼女の家を訪問したとき。 おなかが痛くてトイレに入り便をした後、備え付けられていた消臭スプレーで必死で臭いを消したが、1粒だけぷかぷかと浮かぶトウモロコシを彼女に見つけられてしまったら。 そして、浮かぶ小さな黄色い粒を発見してしまった彼女の気持ちは。 例えば、レストランで食事をするとき。 ステーキに添えてあるコーンにまでデミグラスソースがかかっていたら、その日の朝のトウモロコシが混じっていた大便を思い出さずにはいられなかったときの私の気持ちは。 私たちの繊細な心がちりぢりにはじけてしまったとき、トウモロコシはどう責任をとってくれるというんでしょうか? どうしてくれるんだ、この私の無残な経験は!?(上記3つは体験談です(脚色あり)) …… それ以上に、今日の朝の便に糸コンニャクが消化されずに残っていたときの方がショックがでかかったですが。 虫が出てきたと思ったよ〜。怖かったよ〜。 学生時代の悪友、能登の埃さんよりお題をいただきました。 ありがとうございました。また飲みにいきましょう。 11/9 『平成17年度循環型社会白書』 実は今月末に引っ越しをするんですよ。3月にしたばかりだというのに、慌ただしい限りなんですが。 引っ越しのたびに思うのですが、いろいろ処分するものが大変なんです。今回は家電もかなり処分するんですが、冷蔵庫は引き取り手が見つかってもののいまだ洗濯機が残っております。なんとかして引き取り手を見つけたいところ。なぜかって? 家電リサイクル法のせいで金取られるからに決まってるじゃないですか。 いや家電リサイクル法が悪いだなんて思ってませんよ。これからの環境のことを考えれば必要なことですし仕方のないことです。でもわかっちゃいるんですが、現実に約4千円をとられる段階になるとやっぱりイヤになるのが人の心というものです。まあ、中古品を扱う店に持って行こうとは思ってますが、引き取ってもらえるかどうかが心配。4千円あったら飲みに行けるのになぁ。 ところで、環境問題の一つとしてのゴミ問題解決法はリサイクルに限ったものじゃありません。3Rと言われる『リデュース(ゴミを減らす)』『リユース(洗浄などしてもう一回使う)』『リサイクル(溶かしたりして資源を再利用)』の3つの方法があります。一番大切なのはリデュースですよね。ゴミ出さなきゃリユースもリサイクルも必要ないし。 しかし気をつけていても出てしまうのがゴミ。ほらこれ見てる男子諸君も、毎日ティッシュを使わずにはいられないでしょ? まさかリユースしてたりしてはないでしょうから、ゴミとして捨てる他はありません。そういやどこかのサイトでダッチワイフを捨てる際に袋に入らないからバラバラに切って捨てたら、警察がきたというのが載ってましたねぇ。あれもリユースしたくないよなぁ。 なんかシモの話になってきましたが気にせず続けます。かように色恋の世界においてもゴミ問題は深刻なわけですよ。おねーちゃんは基本はリユースになるのですが、別れたりするとやはり問題です。リデュースすることもリサイクルすることもできません。ただの しかも大量のゴミを廃棄するのはごく少数の『イケメン』といわれる特権階級のみで、他の階級の男たちはリサイクル品をGETして、経年劣化を我慢しながらリユースしまくるしかないわけです。深刻です。リアル世界の恋愛もゴミ問題が深刻すぎです。 その点、妄想世界ならすべてがクリアできるんですけどね。そもそもゴミとして出てこないし、リユースしまくっても劣化しません。飽きたなぁと思ったら、いろいろ付け加えたりパーツを交換したりしてリサイクルも簡単にできます。特権階級のみに許されたものでもありません。 他のゴミ問題についても妄想力が高ければすべて解決できます。さっきも書いたとおり、私は引っ越しの途中なのでなるべく食料を買わないようにしているんですが、昨日もスパゲティをゆでて100円ショップで買ったミートソースだけかけて食べてたんですよ。でも脳内でサラダやエスカベッシュやその他諸々の料理を補完したので、少しも貧しい料理だとは思いもしませんでしたよ。うん、とてもおいしかった。ワカサギのエスカベッシュ…オニオングラタンスープさいこう…… …… 「ぴっちさん、かわいそう! ワタシがご飯をつくってあげる。できたらその後、ワタシというデザートも……」 という美少女からのメールが、明日にはものすごい勢いでメールボックスを圧迫しているというのを想像しながら眠りにつきたいと思います。 えんどぴんさんからのお題で書かせていただきました。 いやはや資料読んだんですが、まったく雑記では役に立ってませんねw ありがとうございました。 11/11 『ツンデレ』 今や『現代用語の基礎知識』にまで載ることとなった「ツンデレ」。今回ツンデレをお題にするに当たって、とりあえずはてなのキーワードで調べてみることにしました。 ツンデレにもいろいろあるようです。まあ萌え属性というのは大抵細分化していくものだとは思いますけれど。 知らない人のためにツンデレの説明を上記のはてなのキーワードから抜粋。 『ツンデレとは例えば、“普段はツンツン、二人っきりの時は急にしおらしくなってデレデレといちゃついてくる”ようなタイプのヒロイン、あるいは、そのさまを指した言葉である』 今やツンデレはネットの大きなお友達に大人気。2chのニュー速VIPあたり見れば、ツンデレに事欠くことはないと思います。もうなんだかよくわからないものまでツンデレですからねぇ。武士デレとか。なかなかに萌えるものがあるので私は結構好きです。 ではリアル世界のツンデレは萌えるんでしょうか? 現実のツンデレを彼女にしたり妻にしたりすると萌え萌えなんでしょうか? 現実でツンデレを考えてみると、要は『気の強いねーちゃん』ということになると思います。ではリアルツンデレが萌えるのかというこの問題を解くに当たっては、【ツンとデレの比率】【共有時間の長さ】をしっかり考慮に入れる必要があると私は考えます。 まず、【ツンとデレの比率】について考えましょう。一口にツンデレと言っても、ツンツンしているときとデレデレしているときの落差や時間はさまざまです。人目があるところでだけツンツンしている人もいれば、二人きりの時でもすぐにデレに移行するわけではない人までいろいろです。次に【共有時間の長さ】を考えます。同じ彼氏彼女の関係でも月に1回しかあわないカップルもいれば同棲している人もいます。もちろん妻もいます。共有時間も様々です。 で、この2つの事柄には次の関係があるのです。すなわち “共有時間が増えるほど、デレの比率は下がっていく”ということです。 具体例を挙げてみましょう。人目のあるところだけツンツンしている、週1ぐらいの頻度で会うツンデレを仮に「ツン6:デレ4」であると仮定します。このツンデレとさらに仲良くなり週2,3回ぐらいお互いの部屋で遊ぶようになれば関係も深まり、むしろ比率は「5:5」ぐらいまでなっていくことでしょう。アレ、増えてんじゃんと思う方もいるかもしれません。 ここで間違ってはいけないのが、上に書いた共有時間というのは正しく言うと、普段の生活で二人が共有する時間ということなんです。 では例の「6:4」のツンデレが半同棲もしくは同棲に入ったとします。一緒に生活する時間もでてきますから、いつもいつもデレに移行している訳ではなくなるわけですね。もっと言えば今まで見えていなかった生活習慣の違いだとか、相手の欠点などもわかるようになるわけですから、必然的に比率も「7:3」などというように下がっていきます。さらに結婚とまでいけば、家同士の問題やら子どものことなどが入ってきますのでもっと比率は下がり「8:2」などになっていくわけですね。 しかも「デレ」というのは経年劣化します。週1しか会わないカップルであっても、年数を経ていけばいつまでも初々しい気持ちでいられません。もちろんイベントなどで復帰することもありますが、通常は徐々にデレに移行する回数も頻度も落ちていくのです。 というわけで、結論。 “リアル世界のツンデレとは、つきあい始めの初期の段階でしか存在し得ない。後に残るのは「気が強いだけの女性」である” リアル世界にはネット上にあるようなツンデレは存在しないし、もしあってもごくごくわずかな時期だけということなんですよ。 コレ、間違いないです。なんせ私、実際にツンデレを妻にしましたから。もともと「9:1」ぐらいのツンデレだったんで、今や「9.9999:0.0001」ぐらいになってますけどね。デレの状態を見たのなツンデレ 時代遅れ 現代用語んてどのくらい遡ればよいことか……。 しかし! リアル世界でツンデレ比率を維持し続け、萌え萌えライフを味わう方法が一つだけあります。それは私が常々言っている『光源氏計画』なんです。 なにせスタートの関係が《養父と養女》という共有時間MAX状態からなので、デレ劣化の心配が無用! あとはツンデレの英才教育を仕込んでいけば、お年頃の頃には最高のツンデレ娘が完成です!! 「ちょっと、お父さん! いつまで寝てれば気がすむのよ!!」 「おー、おはよう。ちせ(仮名)」 「おはようじゃないよ、まったく。ごはんできてるから早く食べちゃってよ」 「いつもスマンなぁ。お父さんが朝が弱いばっかりに、いつも朝ご飯作らせちゃって」 「べ、べつにお父さんのために作ってるわけじゃないんだからっ! 私が食べたいからやってるだけなの」 「そうか」 「そ、そうよ」 「それじゃ食べるとするか……お、弁当も用意してくれたのか」 「私のを作るついでにお父さんのも作ったの。あくまでついでよ、つ・い・でっ!」 「ほ〜、彩りもきれいに作ってあるなぁ」 「当たり前じゃない。私がつくったのよ! 栄養のバランスもバッチリ考えてあるんだからっ!」 「いいお嫁さんになれるぞ、ちせ」 「……別にお嫁さんになんてなりたくない…だって、私が好きなのはお父さ…」 「ん、なに?」 「な、何でもないよっ! それより早く食べちゃってよっ! 片付かないじゃないっ!!」 …… うわ〜。ええなぁ、ツンデレ養女。 てっちゃんさんからお題をいただきました。リアルツンデレはおっかないです。 ありがとうございました。 11/14 『ランドセルを下ろして』 ある事件というか騒動のいきさつについてメールをいただきました。 《オッサンの一人暮らしの家の前で子猫が捨てられていました。近所の子どもたちが弱った子猫を助けようとしていたのですが、皆団地住まいで飼うことができません。結局オッサンが飼うことになりました。 それから。オッサンの家には近所の女の子が10人近くも猫を見に出入りするようになります。弱っていた猫はやはり死んでしまったのですが、その後もオッサンと一緒に遊ぶために通う女の子たち。 しかし女の子たちの親は心配になってきます。結局、オッサンが子どもたちの写真を撮っていると言うことがきっかけになり、女の子たちはオッサンの家に行くことを禁じられるのでした。》 ふつうに考えれば「どう見ても変質者です。本当にありがとうございました」ですんでしまうところです。 でもね、ひょっとしたらこのオッサンは善意の人かもしれないじゃないですか。たまたまタイミングが悪くて誤解を招いてしまっただけなのかもしれません。特に昨今では変態さんが多いですから親御さんも心配性気味になっていますし。 かくいう私も仕事がらド平日に休みがあったりするものですから、休みの日の公園で子どもが私に話しかけてくるのを相手したりすると、親がすっ飛んできて 子どもをひっつかんでいってしまったというのを2回ほど経験しております(『ロリオーラが出ていたからでは?』という意見は激しく否定しておきます)。 もし上記のオッサンが変態ではなく、良かれと思ってやっていた人であったとしたら。結構ショックに違いないと思うのですよ……。 編集者は今日は来ないらしい。 なんとなくほっとして彼は電話を切ると、隣に置いてあった封筒から写真を撮りだして眺めた。 彼の手には数週間前まできていた女の子たちの写真がある。もともとフリーのカメラマンである彼の愛機を見つけた子がせがんでくるので撮った写真だ。今度来たときに渡すつもりだった。しかし渡すことはもうなさそうだ。 近頃の世間を騒がす変質者たちのことを考えれば、子どもたちの写真を許可なく撮ると言うことはやはり思慮が足りなかったと言わざるを得ない。しかし、もうすんだこと。考えても仕方がない。元の孤独な仕事生活に戻るだけのことだ。 しかし実のところ、元の生活に戻ったわけではなかった。 「おじさーん、いる〜?」 「いるよ。開いてるからどうぞ」 彼が答える前から少女は扉を開き、部屋の中へ入ってきた。ランドセルを放り投げ、本棚の本を取り出し、ポテトチップスの袋を開いた。うつぶせになり、自分の部屋のように脚をぱたぱたさせながら読みふける。 「ちせちゃん、今日もお母さんの帰り遅いのかい?」 「いつものことだよ」 ほとんどの子どもたちが来なくなってからも、ちせという少女だけは変わらぬ頻度で彼の部屋へ訪問してきていた。彼女の家は母子家庭で、いつも仕事で遅いらしい。 他の子の例もあるので、彼はちせに何度も部屋へ来ないように注意していた。彼女の母へもその旨の手紙を送った。けれども彼女の母も彼女からも何の反応もなかった。結局少女は週の半分は彼の部屋へ来ている。 「おじさん、これナニ?」 少女が指さす先には、女性の脚だけが何本も組み合わされたオブジェの写真がある。 少女は部屋に来て、所謂『現代美術』の写真を眺めては彼に質問を投げかけるということを繰り返していた。今は商業カメラマンだが、彼は美大で構想設計を専攻していたので説明するのは楽しいことだった。 「ふーん、そういうものなんだ。おじさんもこんな写真撮りたい?」 「前はそういう写真を撮ろうと勉強してたんだけどね。まあ機会があれば撮ってみたいかな…」 苦笑する彼に、少女は薄い唇を大きく上に広げて言った。 「脚撮りたいの? 言ってくれればいつでも撮らせてあげるよ」 「な、何をいうんだ? いらない、いらない。撮らないから」 つまんないのと言い捨て、少女は再び写真集に目を落とす。 彼は焦っていた。実のところ、彼はかなり前から少女からすらりと伸びる2本の脚線に魅了されていたのだ。 少女特有の無駄な脂肪が一切のっていない脚。いったいどうやって体重を支えているのか理解に苦しむほどのだ。かといって筋ばっているわけでもない。しか も、少女の脚は他の子どもたちのように汚れていなかった。怪我など生まれてこの方したことがないと言った風情の肢は、高原の白樺を連想させる。 しばらく吸い込まれるように2本のしなる白樺の枝を彼は見続けた。奥底から込み上げる気持ちをずっと押し殺してきた彼だが、少女の口から『脚』という言葉を耳にしてわずかずつであるが欲望がせり上がってくるのを感じずにはいられなかった。 「今日はもう帰りなさい」 気持ちとは逆の言葉を吐くことで、なんとか彼は彼自身を維持しようとした。少女は自分の顔を見ずに話す男に向かって、 「いいよ。おじさん、撮っても」 「いやいや。いらないって」 「おじさんが私のアシ、前から見てるの知ってるから……別にいいよ」 そう言って少女は立ち上がり、膝下まであったスカートを太もも上部まで持ち上げる。節など見あたらない艶やかな脚。そして今までチラリとしか見えなかった枝の元の方は、乳白色にうっすらと赤みがさしていた。 気がつくと手にはカメラが握られており、彼は撮り続けていた。何枚も、何枚も。 一度動き始めた衝動は止めることができない。つま先、かかと、くるぶし、膝裏……目の前にある枝の表面をすべて焼き付ける。次第に衝動は枝の付け根へと、少女の幹へと上っていく……。 「こんちわー! ○○出版社のぴっちです。近く寄ったんで、ついでに写真撮りに来ましたよ〜 って、何うらやましいことやってんですか!? こういうことするときはちゃんと編集も混ぜてくださいよ〜。ちょwwwwwおまwwwwこの子、テラモエスwwwwwwww」 …… やっぱ美少女の誘惑にはかなわないですよね。 ルリヲさんからのお題で書かせていただきました。 リアル変質者にはお気をつけください。ありがとうございました。 11/15 『おでんで妄想』 去年の冬、実家近くのテーマパークで聞いた会話。 「ちょっとおかして」 「うん」 「食べてもいいけど、ちんちんだもんでちょっとずつね」 「大丈夫。ごぼ天だから。大根じゃないし」 買ってきたおでんをめぐっての一コマでした。 (注:「ちんちん」→方言で「熱い」の意) …… 大根でもごぼ天でもなく、ポークビッツでも「おかして」って言ってくれるかなぁ。 久遠さんからのお題で書かせていただきました。 もうすぐおでんの季節ですね。私は身の程を知らず、大根が好きです。ありがとうございました。 |
SEO | [PR] 爆速!無料ブログ 無料ホームページ開設 無料ライブ放送 | ||