雑記 特選集

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 今まで書いてきた雑記のなかで反響のあったものを10個抜き出してみました。
 はじめて来られる方はこれらから『Pitch's Garage』の方向性をわかっていただけたらと思います。「古いのはまだ見てないや」という方も参考までに。


2003年上半期までからピックアップされた雑記たち

  白子の味 (02.11.09)
  朝の起こしてもらい方 (03.01.11)
  クイズ&正月特番を見て (03.01.12)
  『おつかれなおとうさんの妄想』 (妄想雑記 第5回より)
  『バレンタインとキョニュウと』 (妄想雑記 第6回より)
  花粉症 (03.03.06)
  胃弱な美少女 (03.03.22)
  人間ってどこでもヤリますよね (03.03.26)
  目くそ 鼻くそ 耳くそ (03.05.10)
  卒論 口頭試問 (03.05.21)






白子の味  (02.11.09)

 かなり寒くなってきまして、そろそろ冬の味覚も市場に出回り始めました。寒ブリ、カニなどに今年もありつきたいものです。
 冬の味覚も数多くありますが、私は白子好きなんですよ。魚の精巣といってしまうとなんだか嫌な感じもしますが、うまいものはうまいです。
 以前、金沢に住んでいたころ、白子が大好きな先輩とこれまた白子が大好きなその奥さんと3人でおいしい白子を食べさせてくれるといううわさのお店にいったことがあるんです。白子酢からはじまり、白子の天ぷら、吸い物などなど白子オンパレード。特においしかったのが、白子の石焼き。焼いた石に白子をおいて焼いて食べるだけという単純な料理なんですけれど、うまいのなんの。ためしに一人前しかたのまなかったので、すぐに追加注文しました。
「うめえな、ぴっち」
「これならいくらでもいけますね。酒との相性もばっちりだし」
 男2人は妊娠中で飲めない奥さんをよそにぐびぐびのんでおりました。
 追加注文が届き、さっそく焼きます。
 そこで、中山美穂に激似の美人の奥様がこうつぶやきました。

「白子っておいしいけど、食感が似てるのが嫌ね」
「えっ? 何に似てるんですか?」
あなたたちも持ってる白子。3億匹でてるやつ」
「・・・・・・」
「舌に絡み付く感じとかそっくり。
 あれっ、2人とも食べないの? じゃ、いただいちゃうね」

 あんたがそんな人だとは知ってたけどさ。ここで言われたら食えねえわさ、そりゃ。
 完全にやられたって感じでした。

 ……
 婦女子&一部のマニアな男性に質問。
 食感、ホントに似てるんですか?




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朝の起こしてもらい方 (03.01.11)

 みなさんは出勤・登校の何分前に起きますか?
 会社の人に質問するとだいたい家を出る30分くらい前の人が多いようです。女性は少し早めの人ですね。いろいろ変装の支度がありますし^^; 中には10分前に起きるという方もいらっしゃいましたが。
 私はというと、最低一時間前には起きます。こう言うと早いと言われますが、そのうち30分は布団の中でぼんやりしております。二度寝するわけではなく、目を開けたままぼーっとしてるのです。どうも、朝は弱くて何も出来ないのですよ。いつも寝ぼけまくりです。

 というわけで、関連の気になるニュース

起床に携帯のアラーム機能を使っている人が70%
 iモードユーザーで、起床に携帯電話のアラームを利用している人が70%近くおり、目覚まし時計を利用している人は全体の5割を切っていることが調査会社インフォプラントから発表された。

 私も携帯電話のアラームで起きてます。いつも持っているものだから楽なので使ってしまいますね。目覚まし時計と併用して使っている人も多いようですが、私は携帯のみです。後、実家なので親に起こしてもらうこともたま〜にありますが^^;
 目の覚まし方もいろいろありますよね。このニュースでもそれ以外の項目で「音楽」「テレビ・ラジオ」「モーニングコール」「自然に目を覚ます」などがありました。
 ところで、私の友人で週末のたびにすごい起こされ方をされているヤツがいるんですよ。彼は現在既婚なのですが、新婚ホヤホヤの週末に奥さんと出かける約束をしていたのに、前日に同僚と飲みに行ってしまって起きれなかったそうなんです。奥さんは何度か体をゆすって起こそうとしたのですが、全く動く気配なし。ただ、一部を除いては
 ここまで言ったらもうお分かりだと思います。だんなが激しい振動と快感に襲われて目を開けると、自分の上にまたがった奥様のあられもない姿が!
「想像できるか、起きた瞬間に入ってるんだぞ。いやぁ、燃えた燃えた。それ以来、なんだか病み付きになって休みのたびにしてもらったり、俺からしたりしてるんだ。ぴっちも結婚したらしてみたらいいよ。げひゃひゃひゃ」
 まあ、こういううらやまあほな起き方をしている人はそう多くはないと思いますが、確かに誰かに優しく起こしてもらうというのは憧れますよね。
 私はやはり娘(養女)に起こしてもらいたいです。

「お父さん、朝だよ〜。おきなさーい」
「うぅん」
「起きてよ〜」
「昨日、夜遅かったんだよ。ずっと『はじめてのおいしゃさん』してたから。もう少し寝かせてくれ」
「ダメ! すごいいいお天気なんだよ」
「ちせ(仮名)、あと30分」
「ダメだよ。こんな天気、もう無いよ。早く起きて!」
「うぅ、眠いよ、ちせ」
「もうっ。ダメなお父さん」
「そう言わずに、ちせも布団に入って寝なさい。ほら」
 バサッ
「うわっ、まっくらー。でも、あったか〜い」
「こっちに来なさい」
「うん」
「さー、寝るぞぉ」
「やだよ〜だ。おひげ、じょりじょりしてあそぶんだもん」
「こら、寝れないじゃないか。そういう悪いことする子は、こうだ!」
「きゃあ、やめて、くすぐったーい。も〜、しかえしだぁ」
「うわっ、やめれ、くすぐったい。……こらっ、ちせ。そこはだめだって。反応しちゃうだろ
「ねえねえ、なんだかコレ、大きくなってるみたい。おもしろーい」
「ちせっ! そこはさわっちゃいけません。大変なことになるからっ」
「え〜、だっておもしろいんだもん。あっ、何かちょっと出てきたよ。おもらしだ〜、大人のくせにぃ」
「こらっ、やめないか」
「だめね、おとうさん。ちせが拭いてあげるね……って、お父さん?」
「もう、もうだめだ! ちせーーーーーっ!!」
「え、ええっ? おとうさーーん!?」

 ……
 萌えすぎです。
 こんないたずらっ子では理性が吹き飛んで大きなお注射してしまいそうです。娘は清く正しく美しく育てたいと思います。




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クイズ&正月特番を見て (03.01.12)

「ちょっとクイズね」
 行きつけの飲み屋に言ったときに、不意に常連の一人がはじめました。
OLが5人ですし屋にいきました。
 何を頼もうかかしましく相談していると、板前さんがまだ頼みもしないのに出してくれました。
 『どうしてコレなの?』
 と尋ねると、板前さんは、
 『女性5人のお客さんといったら、このネタしかありやせんよ』
 と言いました。このとき出たネタは何だったのでしょう

 店の中にはマスターを含め4人ほどいたのですが、誰も答えられない様子。マスターも考えあぐねて、
「ぴっちくん、わかる?」
と尋ねられたので、
アナゴじゃないれすかね」
酔っぱらっていたのでしたたらずに答えたところ、クイズを出した常連さんが
「即答できるとは、さすがぴっちくん!」
とホメてくださいました。
 ただ、何がどうさすがなのか非常に気になっている今日この頃、みなさん如何お過ごしでしょうか。私は過労で死にそうです。


 正月は特番が多いですよね。今年の目玉は討ち入りから300年ということもあって『忠臣蔵』なんでしょうが、あややのファンは萌えだったんでしょうけど、いまいちパッとしませんでした。今年は紅白も視聴率を落としたようですし、全体的にダメな年だったのでしょうかもしれません。
 と前フリをしたものの、私はもともとTVを見ないほうなので『はじめてのおかいもの スペシャル』ぐらいしか見ませんでした。というよりもたまたまつけたのがこれだけだったんですが。
 この番組、小さな子どもがお買い物に行くというだけなんですがけっこう続いていますよね。いったい何が面白いのかなと少々うがった見方でみはじめたんですが、これがいいです。実にいい。何がいいって、娘萌えです。かなり萌えの最初の子が無事おわり、次は二人目。

「この子、父子家庭なんだねぇ。大変だ」

 相方が見つめる先のTV画面上では気の強そうな目をした4歳の子が、ちゃきちゃきとお買い物を進めています。店員にはっきりと何が欲しいか伝えて、着実に品物をゲット。4歳にしてしっかりしすぎです。かなりツボ。

「ぴっちより使えるよ、この子」
「うるさい。黙ってみてやがれ」

 まだ何かほざいている相方を放っておいて、TVを凝視。その子は父親のパンツを最後に買って店を出ました。娘にパンツ買ってもらいてぇ。この子のお父さん、うらやましすぎです。
 しかし、その後にアクシデントが! 帰り道に買い物袋を落としてしまったため、卵が割れてしまったのです。泣きながら帰る女の子。しっかりしててもまだ4歳ですから「どうしよー」とか「おこられるかなぁ」と悲しんだり悩んだりするんだろうなぁと思いきや、その子は

『くやしい。くやしいよぉ』

とお買い物を成功させられなかった自分を責めるのです。

「……萌え
「え? なんて言った?」
「なんでもない」
「萌えとか言わなかった?」
「言ってない」
「そう」

 ウソです。萌えすぎです。
 しかも、さらに女の子は自分の家の前でこう言います。

『泣かないようにしなきゃ…(涙を拭いて)…よし! ただいま〜』
 
 ……もうダメです。メロメロ。
萌えすぎ
「すぎ?」
「萌えすぎ」
「萌えすぎって言ったよね? ロリー」
「……」
「ろり〜ろり〜♪」
「あぁ、言ったさ。萌えさ。萌えすぎさ」
「……」
「あんないたいけな少女に自分のパンツ買って来てもらってしかも『お父さんのまえでは涙なんて見せられない! だってわたしは強く生きなきゃいけないんだもん。迷惑かけられないもん!』的な行動とられちゃってそんなところを草葉の陰からそっと見てしまった日にゃもう抱きしめちゃて二度と話さないぞかわいいなぁちせ(仮名)もうおまえをどこにもやりはしないぞずっとお父さんと一緒に暮らすんだぞと言うと『やったぁ、わたし大きくなったらお父さんのお嫁さんになるんだぁ』っておまえはうれしそうに笑うんだそして20歳になったらおまえは『今までどうもありがとうございました。ちせがここまで大きくなれたのもお父さんのおかげです』というけれどもそこでオレは『実はちせ…本当は私はおまえのお父さんじゃないんだ…(涙)』と衝撃の告白を告げるのさするとおまえは『え…そ、それじゃ、今までわたしが抑え込んできたこの思い、伝えてしまってもいいのね! お父さん!』『ちせ、お父さんはないだろう。ぴっちと呼んでくれ』するとおまえは頬を赤らめながら『ぴっちさん! これからもずっと私と一緒にいてください!』『もちろんだとも!』『うれしい! 今まで生きてきてこんなにうれしい事はないわ!』と感動の抱擁をかわし2人はそのまま寝室で初めての男女としての夜を迎え……って、おい」
 …………パタン(←扉の閉まる音)
 相方、出て行ってしまいました。ちょっと飛ばしすぎたかもしれません。
 それにしても、今まで養女にするなら8〜13歳くらいの子と思っていたのですが、この件があって以来大幅に下方修正をよぎなくされました。4歳でここまで萌えな子がいるとは思いませんでしたよ。おかげでいい正月をすごせました。

 ……
 さて、もう一回ビデオ見よ〜っと(13回目




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『おつかれなおとうさんの妄想』 (妄想雑記 第5回より)

 仕事が忙しすぎてもうずいぶんとまともに家に帰っていないです。
 こうなってくると心配なのは親子の関係。ここ何日か娘(養女)のちせときちんと会話できていません。朝に少し顔をあわすぐらい。ただ、親子とも朝非常に弱いため、ろくすっぽ話すこともないのです。
 今日は珍しく予定通り早く帰れました。とはいっても9時すぎているので、ちせはふてくされてベッドの中のはず……なのに、下からのぞくリビングの窓はこうこうと明りが灯っています。消し忘れでしょうか。
「ただいま」
 起こさないように小さな声で中に入ろうとすると、まだ生乾きの髪でちせが顔をのぞかせます。
「おかえりなさい、お父さん。ちょっとおそかったね」
「ああ、ごめんな」
 ちょっとひんやりするほほをなでながら、私は部屋の中へ入りました。ちせはキッチンの方に向かいながら言います。
「いいよ。それよりぃ、ねえねえ、お父さん。ご飯にしますか? お風呂にしますか? それとも、ワ・タ・シ?」
「ち、ちせ! 何を言ってるんだ! どこでそんなの覚えてくるんだ」
「えー、ミヨコちゃんがこう言えって言ってたんだよ。おとうさん、喜ぶからって」
 私の帰りが遅いので、妹の美代子に食事の支度を頼んでいるのですが、どうやらいろいろと余計なことを仕込んでいる様子。全く困ったものです。私の計画が台無しになったら、あいつのせいです。ただではすませません。
「ミヨコのやつ…まあいい。とりあえず、ご飯を食べよう」
 冷蔵庫にある料理をレンジにかけます。なんだか視線をかんじるなと思っていると、まだちせがいます。
「ちせ。もう寝なさい。9時だよ」
「え〜、久しぶりにお父さんいるのに、もうちょっと起きてるぅ」
 しかたないなとつぶやきながら、ついつい笑みがこぼれてしまいます。ちせも並べるの手伝ってくれて、食事の支度もできました。
「最近、学校はどうなんだ? なんかおもしろいことでもあったか」
「ん? まあまあかなぁ。そんな変わったことはないよ」
 ちせはポテトサラダの皿を私の前に出しながら言います。
「そうか」
「それよりもさ、このポテサラ食べてみてよ!」
「ああ」
 山盛りになったポテトサラダに箸をつけながら一口食べる。
「どう? おいしい?」
「まあ、おいしいけど」
「やったぁ!」
 はしゃぐちせ。
「それね、わたしがつくったんだよ。最初から最後まで。みよこちゃんに手伝ってもらわずにつくったんだからね!」
 それでやたらとポテトサラダを気にしていたのか。
「量が多すぎるのは困るが、味はバッチリだ」
「エヘヘ、つくりすぎちゃったけど、のこりはわたしが食べるから」
「いいから、座ってなさい」
 自分用の箸を持ってこようとするちせを制し、私は再び椅子に座りなおさせました。そんな私の様子に、少々困惑気味のようです。でも、ちゃんといっておかねばなりません。
「ちせ。包丁は触っちゃダメだと言ってなかったか?」
「あ…でも、大丈夫。使えるから」
「できるのはわかった。けど、包丁はとても危険だから、一人で使ってはいけないと前にも言ったよね」
「うん…」
 しゅんとするちせ。
「そういうことは、お父さんがちゃんとみてるところでやってほしいんだよ。わかるね?」
「わかる…わかったよ……でもさ、お父さん、今日は早く帰れるからって言ってたからなんかしてあげたくてがんばってつくったんだよ? 今そんなこといわなくてもいいじゃない!」
 みるみる目に大粒の涙がたまっていきます。
「お父さんのバカーっ!!」
 言い過ぎたかと思ったときにはもう遅く、ちせは部屋の方に走っていってしまいました。

 ……
 食事を済ませ、シャワーを浴び一息。ちせの部屋はしんと静まり返っています。泣いたままふて寝してしまったのでしょう。たまに早く帰って親子の会話を持てたというのに、これでは父親失格です。
 わずかに残ったビールを一気に飲み干し、仕事疲れと気だるい感じをひきづりながら、寝室に入りました。
 ちせがいました。
 私のベッドで目を赤くはらしたまま寝ています。2才のころやめて以来でていなかった親指しゃぶりをしながら、毛布にくるまっています。ちせもいっちょまえにストレスを感じていたのでしょう。
 今日はソファかなと覚悟を決め、部屋を出て行こうとすると、ちせが目を覚ましてしまいました。
「お父さん、ごめんなさい。ここで寝ちゃって」
「いいよ。もう遅いから、そのままそこで寝なさい」
「ねえ、お父さん、いっしょに寝て」
「わかったよ。ちせが寝るまで、隣にいてあげるから、早く寝なさい」
「うん」
 そううれしそうに返事をされると、照れくさくて困ります。髪を引っ掛けないように気をつけながらベッドに入ると、ちせが抱きついてきました。
「あったか〜い」
「ちせのほうがあったかいぞ。ベッドもあったかくしてくれてありがとな」
 エヘヘ、と照れくさそうにちせは笑うと、ベッドの奥からなにやら取り出します。
「そうそう、ミヨコちゃんからもらったんだけど、これお父さんすきなんでしょ?」
 出てきたのは……聴診器。
「お医者さんになりたかったから、お父さんはこれが大好きだって言ってたよ」
 ……あいつ、殺す。
「あと、それを使うときはこれをはかないとダメって。よいしょっと」
 ちせはパジャマを放り投げると、『グンゼ』とおおきく書かれた布がへそまで隠れるぐらいのパンツ一枚の姿になりました。
「ち、ちせ!?」
「お医者さんごっこするときは、このパンツじゃないと『萌え』ないからってミヨコちゃんがくれたんだけど。お父さん、『萌え』って何? よくわかんない」
 ちせ、今おまえが小首をかしげている姿が『萌え』なんだよって教えてやりたい……って違います。こんなことをさせてはダメです。せっかくの『光源氏計画』が台無しになってしまいます。ちゃんと大人になってからじゃなきゃ。
「ちせ、そんな格好してはダメだぞ……って、ちせ、おまえが持っているその赤と青のキャンディは、ま、まさか!」
 グンパンの奥から取り出したビー玉ぐらいの大きさの飴玉を手のひらに転がして、ほほを朱に染めながら、ちせは私に背を向けました。
「これは、わたしが買ったの。お父さんを喜ばせたい、どうしたら喜ばせられる? って近所の駄菓子屋『いも屋』のおばちゃんに聞いたら、これを飲みなさいって。メルモの不思議のキャンディだって。わたし、お父さんの喜ぶところ見たいもの。だから、おこづかいで買ったの」
「ちせ……」
「だから、飲むの」
 ごくん。
 ちせが青いキャンディを飲み込むと、体が光に包まれ、みるみるうちに10歳年をとったのです。歳はすっかり大人の歳に。身体はつるぺたで、まるで最終兵器彼女のような体型でしたけれど。
「10歳年取ったのに、胸大きくなんない〜。やだぁ。これじゃ、お父さん、喜ばないよぉ」
 うっすらと盛り上がったくらいしかない胸を触りながら嘆くちせ。
「ちせ、そんなことないぞ。いや、むしろ『萌え』だ。萌えすぎだ」
「えっ、お父さん、ひょっとしてロリな人?」
「そんなこと無いぞ。微乳派なだけだぞ」
「じゃあ、喜んでくれる?」
「ああ、喜ぶとも。喜びまくりさ。今までずっとがまんしてたあんなことやこんなこともしちゃうんだぞかわいいなぁちせもうたべちゃいたいなもうだめだみてるだけでどうにかなりそうだちせはわるいこだなああわるいこだともそういうわるいこはおしおきしゃなきゃだめだなんだなそうだおおきなちゅうしゃしちゃおうかなどうしようかな」
「ねえ、お父さん。さっきから漢字が入ってなくてとっても読みにくいんだけど」
「そんなこときにしちゃだめなんだなそんなことよりもおとうさんってよぶんじゃないぴっちとなまえでよんでくれなきゃぐれちゃうぞもともとむすめじゃないんだから」
「え!!」
「そうさ、ちせ! 俺の胸に飛び込んで来い!!」
「ぴっちさーん!!」


 ……
 先日こんな夢を見ました。本当にもうやばいんじゃないかと思います。
 誰かこんな私に休みをください(切実)。




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『バレンタインとキョニュウと』 (妄想雑記 第6回より)

 今日はバレンタイン。
 案の定何事もないので、泣きながらダッシュで家に帰ります。
「ただいま……うわっ」
 帰ってくるなり、娘(養女)のちせ(仮名)が飛びついて来ました。
「おかえり、おとうさん。どうだった?」
「何が?」
「んもぉ、チョコだよ。チ・ヨ・コ」
「そんなもん買ってきてないぞ」
 首に巻きつく娘をひっぺがえしてダイニングに入ります。
「買うんじゃなくて、もらうでしょ。バレンタインのチョコはもらわなかったの?」
「あー、今年から会社での義理チョコは廃止になったんだ。だから、ない」
 ぶーたれながら、ちせもダイニングに入ってきました。
「それにしたって一個もチョコ無いなんて。おとうさん、もてないの?」
「うるさいな。おとうさんはそんなお菓子メーカーの陰謀には荷担しないのだよ。よって、チョコなんぞ、無い」
「ホントに!?」
 今日のちせはかなりしつこいです。これでかわいくなくて、養女でなかったら速攻張り倒すとこなのですが、ほほを膨らましているちせを見るのも私は好きなのですから、いたしかたありません。
「もうっ! 今日はわたし、チョコが食べれると思って、すっかりチョコモードになってたのにぃ」
「そんなに食べたいなら自分で買ってきたらいいじゃないか」
「そ、それは……なんかちがうでしょ。もうっ」
 なんだか今日のちせはモーモー言ってばかりで、『牛』モードのようです。私が部屋着に着替える間中、うろうろとおちつきなくリビングを歩きまわっています。
「ちせ、腹減ってんのか? 今作るから……」
「そうじゃないよ、もうっ!」
 言うなり冷蔵庫にまっすぐ進んで何かを取り出すと、私のほうに投げてよこしました。
「なんだ、これ」
「チョコ。わたしからおとうさんに」
 渡された包みは1.5Lのペットボトルぐらいの大きさで、丁寧にラッピングされています。
「おお。ありがと、ちせ」
 私が礼を言うと、照れくさそうにちせは背中を見せました。
「おとうさんかっこいいからモテモテだろうし…あ、でもそんなおとうさんが好きなんだけど。で、いっぱいチョコもらってくるかと思ったから、もらってきたチョコはぜーんぶちせが食べちゃって、おとうさんにはわたしのチョコだけたべてもらおうと思ったんだ」
「ちせ……」
「それなのに、おとうさん、今年は一個ももらってこないから、わたし、チョコたべられないじゃない。去年はもらったけど捨てちゃったって言ってたから、たくさんあると思ったのに」
 そんなこと言ったっけかな。適当にウソついたのがばれそうになり、あわててことばをつなぎます。
「すまない、ちせ。実はな、おとうさん、チョコ好きとはいってもたくさんはいらないほうなので(←本当)今年は断っちゃったんだ(←見栄)。それに、ちせから食べたいチョコはちせのだけだったからね」
「おとうさんったら! じゃあ、早速食べて」
「お、おう」
 ペットボトル状の箱をほどくと、中から巨大なチョコレートが出現しました。
「なあ、ちせ」
「なに、おとうさん」
「すごい量だな。これ」
「うん。1キロぐらいあると思うよ。おとうさん、チョコ好きでしょ?」
「ん、まぁ…少しくらいなら
「何か言った?」
「いや、何でもない」
 目の前の巨大な1キロの塊が、甘い匂いを辺り一面に撒き散らしています。先程も言いましたが、私はチョコは少しなら好きだが、たくさんはいらないほうなのです。しかも、食べられるのはビター限定。
 しかし、この塊から発せられる臭気は……
「ちせ、ちなみにこれはミルクチョコレートか?」
「そうだよ。すんごくあまくておいしいんだから」
 やはり……ミルクチョコレート1キロ。さすがに食えない。これが、起伏の少ないちせの無垢な素肌に頭からつま先もちろん大事なところに至るまでまんべんなくきれいに塗りたくられたミルクチョコレート1キロならば、それはちせを立たせたままもうあますことなくすみからすみまで舌だけで舐め取っていく鼻血が出ようが耳血がでようが関係なくたっぷりと唾液をつけてべたべたにしながら素肌が完全に見えるまでやってしまいそうするとちせのかわいらしい口から甘い吐息がもれてしまうかもしれないがそれはそれで『萌え』なのでOKそんなちせにすわりこまないよう軽くしかりつけてそのまままだかたくとざしたつぼみの部分にぬりつけられたにっくきミルクとカカオと砂糖の集合体をゆっくりそして優しくとかしていってあげるのに……
 おっと、あまりにもキツイ状況下なので、おもわず逃避行動に出てしまいました。いけない、いけない。
「おとうさん、ひょっとして、食べれそうにない?」
「いや、そんなことはないが……ちせが食べられないのに、おとうさんだけ食べるわけにもいけないだろ?」
 お、我ながらいい言い訳です。
「ちせも一緒にたべよう」
「ん〜でも、わたしはおとうさんに食べてほしいな。おとうさんのために作ったんだし」
 作った?
「ちせ。火を使ったのか? この間、いけないと言っただろ……」
「だから、ミヨコちゃんのところで教えてもらいながらつくったの。だからだいじょうぶ」
「そうか」
「うん。だから、おとうさん、全部食べて」
 ちせの気持ちはとってもうれしいです。ですが、この量は私にとっては致死量こえてます。何とかして全部食べるのを阻止しなければ、糖尿病になってしまいます。ただでさえ、尿酸値高いのに(実話)。
「ちせの気持ちはわかった。ありがとう。でも、ちせもチョコ好きだろ? 一緒に食べよう。な」
「ん〜でも、そうすると、ちせ、バクニュウになっちゃうけどいい?」
 は?
 何を言ってるんだ?
「ミヨコちゃんが、ミルクチョコレート食べてばっかりいるとバクニュウになっちゃうって言ってたんだ。おとうさんに言ったらよくわかるからって言うんだけど、バクニュウって何?」
 美代子のやつ、また変なことを吹き込んで…しかし、そうだったのか。ミルクチョコ食べると乳が育つのか。
「ねぇ、おとうさん聞いてる?」
 こんな1キロの塊食べたらそりゃ育ちまくりだろうなぁ。
 爆乳……Gカップがちせに……
「おとうさん! 聞いてる?」
 二十歳の誕生日、ちせの胸に巨大な脂肪の固まりがゆさゆさ……せっかくの収穫期が、父子から男女の関係に変わるそのときに、爆乳……
「ねぇ、おとうさん! おとう…」
ひぃぃぃいいいいいいいいいいいいいいいいいぃぃっっつつつ!!!!
「! おとうさん!?」
「嫌だ嫌だ嫌だぁ! 爆乳嫌だぁ! そんな脂肪の塊をちせにくっつけるくらいなら、ミルクチョコがなんぼのもんじゃああああい!!」
「おとうさん! しっかりしてぇぇえええ!」
「食うぞ。食うぞ。徹底的に食い散らかすぞ、ミルクチョコぉおおお! ちせに与えるミルクは、私のミルク汁だけでいいんだぁああ! 私のちせを汚すやつはこの世から消し去ってやるゥゥゥウウウウリィィイイイ!!」
「おとうさん!」
「I カップなんて人じゃないぞ! Bが最高! BはバストのBィイイイイ!!
「おとうさああぁぁぁああん!!!」


 こんな悲劇が起こらないように、誰かチョコPLZ




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花粉症 (03.03.06)

 目がかゆーい。ざぶざぶ洗いてー。

 花粉症に苦しめられてる方、多いですね。去年に比べてもかなり多いような気がします。今日もそこら中からくしゃみの声が聞こえました。
 くしゃみって、いいですよね。けっこう好きです。
 何が好きって、くしゃみのときの声って普段のその人のイメージとかけはなれていることが多いじゃないですか。普段ものしずかな女性が大きな声で「ハクショーン」と豪快にしたり、いつも肩で風切るような人が「へーちょ」ってあなたは『あずまんが大王』の大阪ですか? ってつっこみたくなるようなかわいらしさを発揮したりするとこが好きなんです。
 この間も、かなりキャリア系の女性のくしゃみが愛らしかったものですから、おもわず「ラヴ」ってつぶやいてしまったのを思い切り聞かれてしまい、まるでなんとなく「ふーん、いい景色ね」と思ってそばに生えていた梅の花を間近に見ようとして近づいていったら、梅の花だと思っていたのはカイガラムシの群生で、目の前でうにゃうにゃしたものをバッチリ見ちゃったよってな顔して立ち去っていきました。まあ、毛虫のごとく扱われるのは小さい頃から慣れていますのでいいんですが(←いいのか>自分)
 でもまあ、そんなおばさんよりも今日出社中に見かけた、
「ハクショ〜イってんだ、ばかやろー」
 って大声で怒鳴ってる来年から中学生なんだけどまだまだおしゃれに目覚めるのはもうちょっと後なのだってまだまだ友達とあそんだり部活(バスケ部)もしっかりやって県大会目指さなきゃ恋愛もちょっと興味あるけどわたしみたいな田舎娘は相手にされないと思うし…だから部活命なのがんばるわ! みたいな子の方が百倍ぐらい萌えだったんですけど。
 あやうく会社のファンカーゴに拉致監禁して、
「君と僕だけの『携帯空間』でいろんなことしようよ。ウヘヘ」
「な、なにするんですか!」
「痛くしたりしないから…ちょっとおとなしくしててくれれば」
「な、なんですか。そのあやしげな聴診器は!」
「大丈夫大丈夫。ちゃんと僕の股にはさんで暖めてあるから冷たくないですよ〜。ほ〜ら、胸出して。そのブラもまだしてない胸を
「い、いやです!」
「そーかぁ。そんなこという子は、これ打っちゃうぞぉ」
「ひぃ。その大きな注射みたいな物体は何? しかもなんで中に牛乳入れてるの?
「なぁに、母乳がたくさん出るようにたっぷりと入れてあげるだけですよ」
「いやぁあああ。おかーさーん!!」
「うひぃひゃひゃはやあああああ!!!」


 あれ? くしゃみから、なんで私はこんなところに……?




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胃弱な美少女 (03.03.22)

 胃がいてーっす。
 もとより胃弱なんですが、最近忙しかったり周りがバタバタしたりで、生活リズムが崩れているのとストレスたまりまくりのダブルパンチのせいでしょう。別のものは自分で適度に出してるんでたまってないんですけどね。
 それにしても、同じ病気持ちなのに「胃弱」と「心臓病」や「白血病」とのイメージの違いといったら、何でこんなに大きいんでしょうね。
 一般的に抱くイメージとして、

  「胃弱」 → 青白い顔して、ひょろひょろしている。
          ストレスにいつもあえいでいる。
          頼りなさげ。
  「心臓病」 → 色白ですらりとした美少年(美少女)。
  「白血病」    繊細で、か細い声で話す。
            はかなげ。

 という感じでしょうか。
 なんだ、この違いは。胃弱というだけでこんなに負のレッテルを貼られてしまうとは、全国3276万人(勝手に推定)の胃弱持ちの立場はどうなるんだ! 訴えてやる! 責任者出て来い、せきにんしゃー! 呪ってやるーー!!(←こんな人、多そうだなぁ。胃弱の人(ぉぃ))
 小説やドラマなんかでも病弱なヒロインは大抵「心臓病」とか「白血病」です。これではいけません。胃弱なヒロインも誕生させなければ。


「今日はありがとう、ぴっちくん。お見舞いに来てくれて」
「いいよ、お礼なんか。それより、どうなの、胃の調子は」
「うん……お母さんは『胃の中のピロリ菌はいなくなったってお医者さんが言ってたから、もう大丈夫』って」
「そっかぁ。よかったね」
「でもね・・・」
「どうしたの?」
「胃酸が止まらないの」
「えっ!」
「ちょっと気を抜くとすぐに胃酸があふれてきちゃうの」
「……」
「ホントはわかってたんだ。私の胃潰瘍は、ピロリ菌とは関係ないんだって。ストレスから来る心因性の胃潰瘍だってこと……」
「心因性……」
「別れましょ」
「ええっ!」
「だって私、胃酸まみれの女なのよ! あなたとキスした瞬間に、口の中に胃酸を流し込んでしまうかもしれないのよ! ……どう考えたって、あなたと付き合っていけないじゃない」
「そんなの気にしないでも……」
「それだけじゃないわ。胃酸過多だから、口臭もきついのよ。おしゃれなカフェに行って楽しく会話している時だってあたり一面にすえた臭いを撒き散らしてしまうのよ。そんなの、つらい……つらすぎる」
「だ、だいじょうぶ。ほら、オレ、花粉症で鼻詰まっててわからないし」
「そんなの、今だけじゃない!」
「う…」
「だから、別れましょ……」
「そんなの気にしなくていいよ! キミのものなら胃酸だって全然平気だし、口臭だって大丈夫さ!」
「ぴっちくん……」
「だから、キミは胃潰瘍治すのだけに専念して。大丈夫、オレがついてるから」
「それがジャマなんだよ」
「え? なんか言った?」
オメーがジャマなんだよ。この短小・包茎・早漏の三重苦が!
「ええっ?」
オメーのHがドヘタだから、いつもいつも満足できずにストレスたまってんじゃねーか。
 テメーがいなけりゃ胃潰瘍なんてさっさと治るんだよ、このチンカス男!
 くせーんだよ、オメーのは。とっとと家帰ってキレイにしてこいや!
 部屋中臭うんだよ。出て行きやがれー!!



 ……
 すみません、どうやっても無理でした。
 適当なオチつけて終わらせてしまったことを、心からお詫び申し上げます。




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人間ってどこでもヤリますよね (03.03.26)

 この間の日曜日ですが、149万馬券が出たらしいです。100円買ったら、149万円バックですよ。当然、日本競馬史上最高額です。そんなの当ててみてー。
 競馬といえば、実は私、学生時代に競馬場でテレビカメラマンのバイトをしていました。とはいっても、TV放送に使うわけではありません。審査用につかうビデオ撮影のバイトです。競馬場の各コーナーに地上10M以上のやぐらみたいなものがあって、そこからカメラを回すんです。
 日給は6000円と普通なんですが、なにせレースは30分に一回しかないので、30分のうち25分くらいは自由時間なわけです。小説やらマンガやらを持っていけば、かなり楽なバイトなのですよ。ですから、3年以上もお世話になってました。

 そこであったホントの話。
 その日は平日だったのであまり客もおらず、大きなレースも無かったのでかなりのんびりしていました。天気もよく、ちょっと暑いくらいの陽気の日で、私は日陰で昼寝をしていました。
 すると、
 ビーッ ビーッ
 と、レース前の呼び出し音。あわてて出ます。
「はい。3コーナー、ぴっちです」
「あ、ぴっち。ちょっとカメラ回して」
「はい……って、レースまでまだ時間あるじゃないですか」
 時計を見ると、まだ20分くらいあります。
「まぁ、いいから。とにかく、フォーカスあわせて、真ん中の公園の藤棚のところまでよって」
 競馬場はたいていトラックの真ん中が公園になっています。そこには藤棚があるのですが、今日は平日ですし何のイベントもやっていないはずなので人影もありません。
「何撮るんですか?」
「いいから! もっとよって。んで、右の方の影をアップ」
「んー、まぁいいですけど。このへんですかぁ?」
「もうちょい右、もっと右」
 ちょっといらただしく指示され、やる気ナシナシでまわします。
「まだですか……って!!」
 そこには、ブラウスがはだけて胸があらわになっている女性と、その胸を一生懸命わしづかみしている男性の姿がありました。
「ぴっちくん。われわれの目標はそれだよ(ニヤリ)
「こ、これは!」
「ぴっち。それを撮りたくて、わざわざ呼び出したのだよ。こら、UPにしすぎんな!」
「うはっ。こりゃすげーですね。私のためにありがとうございます」
「いやいや、キミのためだけではないよ」
「というと?」
「この映像はね、競馬場に備え付けられた全7台のカメラであらゆる角度から撮影されているのだよ」
「まじっすか!」
「もちろんだとも。しかも、全て録画しているっ!!
「うおおぉっ!!」
「というわけだから、気合を入れて撮るように! あとで編集したヤツを貸してやるからな」
「はいっ!」
「そんなこと言ってる間に、最後までやるっぽいぞ」
「えっ、そうなんすか? 3コーナーからだと男の影で女の子の下半身見えないんですが」
「おおおおおぉぉぉぉっ! いったああぁぁっ!!(ひときわ大きな声)
「え、どうしたんすか。見えないんすよ」
「マジで、こんなとこでやってるよ。うわー、すげー(ちょっと感動気味)
「男がケツ振ってるのしか写らないんすよぉ。どうなってんですかー」
「うわっ、この女の子、積極的だなぁ(感心している様子)
「ねーねー、実況してくれよぉ」
「って、おいおい、もう終わりかよ。オトコォ、しょべーーぞ!(切れ気味)」
「らしいですね。腰止まってるし・・・(半泣)
「・・・おおおぉぉっ!!(復活の雄たけび)
「えっ? えっ? どうしたんすか?」
「うはぁ・・・ここまでするんだ、この子・・・(感動)
「いったいなにがぁああああ!! おしえてぇえええええ!!!!」
「すご・・・(声にならない様子)
「えーん、おしえてーーーーー!」
「ふぅ・・・(なんだか落ち着いた様子)
「あぁぁ、なんか男、ズボン上げてる・・・(泣)
「3コーナー」
「なんですか(泣き続け)
「もうレース始まるから準備しとけよ」
「おわりかよぉぉぉおぉぉぉぉぉおぉぉおおおお!!!!」

 ってなことがありました。
 いやぁ、ホントに人間ってどこでもヤリますよね。

 ……
 これ書いて気づいたんだけど、編集されたビデオテープもらってねーよ!
 くれるって約束だったじゃないかぁ!(号泣)




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目くそ 鼻くそ 耳くそ (03.05.10)

 最近ついてないと前にも書きましたが、その不幸ぶりは未だ健在です。
 今週初めに車ぶっこわれました。
 突然爆音がするようになって慌てて工場へ持って行ったところ、人為的にマフラーに穴をあけられた形跡があるとのこと。もちろん犯人は不明です。
 まったくもってついてません。こちとらもうずいぶんと穴と縁がないというのに!
 というわけで、不幸全開なぴっちです。そろそろ本当にお祓いを考えてます。


 穴といえば体中にはいろんな穴があるわけですが、その中でも顔にある穴から出る汚れに「目くそ」「鼻くそ」「耳くそ」というものがありますよね。
 ココで質問!

 あなたにとって一番汚いと感じるのはこの3つの中のどれですか?

 もちろんその汚れの状態(水分を含んでいるとか、大きさとか)もあるんでしょうが、私的には目くそ,耳くそをはるかに引き離して鼻くそがぶっちぎりで汚いと感じます。
 けれども他の人にも聞いてみると、意外に耳くそ一番汚い派の人も多いことが分かりました。結構びっくりです。私がそう答えると耳くそ派の人が反対にびっくりしていました。他にも耳くそ=鼻くそ>目くそといった人も多かったですね。どうやら、平均すると目くそに比べて耳くそ、鼻くそは汚いと感じている人が多いらしいということが分かりました。
 しかし、なぜそのように感じてしまうのでしょう。原因を解明するためにいろいろと考えてみます。

 まず、名称。
 目くそや耳くそはそれぞれ「目ヤニ」「耳垢」という別の呼び方を持っています。鼻くそは私が知る限りではありません。これらの呼び方を並べてみると

 「目ヤニ」「耳垢」「鼻くそ」

 ヤニは「松ヤニ」などでも使われますから、なんとなく粘っこいものだというイメージを受けますが、積極的に汚いとは感じません。垢(アカ)は確かに汚いですが、体全体からも出るわけで、一番汚いという感じではないでしょう。それに比べ、くそは「糞」ですからねぇ。ヤニ>垢>くそ という順位付けになるのは仕方ありませんね。
 というわけで、名称からは「目くそ」>「耳くそ」>「鼻くそ」という結果になりました。

 次はその汚れをとるしぐさから検証をしてみます。
 皆さん、想像してみて下さい、それぞれの汚れを自分の恋人やパートナー、憧れの人が取っている姿を。
 目くその場合、普通のおっさんが取っていると「顔ぐらい洗ってこんかい、ゴルァアア」となるのですが、恋人が朝起きたばかりの頃に目をこすっているのを見ると「まだ眠いのかな?」と思いますよね。
 おっと、今、重要な言葉のすり替えがあったのに気付きましたか? そう、「目をこする」です。
 「目くそを取る」だと汚い感じがしますが、「目をこする」だと、娘(養女)がちょっと昨日お父さんとお出かけしたときにうれしくてはしゃいでしまってつかれがたまり、まだまだ眠くてムニャムニャと言いながら毛布を引きずって自分の部屋からのそのそと出てくる姿が容易に想像できます(断言)。
 また「目をこする」というしぐさは涙をぬぐっているしぐさにも通じるものがありますね。
 ですから、美人はいくら目くそを取っていても周りの人間から見たら
「あの女性にこんな朝早くから何があったのだろう。涙を流すほどのかなしいことがあったのだろうか」
としか見えないのです!
 美人に目くそ無し! 新たな事実が発覚してしまいました。

 では、耳くそはどうでしょうか。
 耳の穴に小指を突っ込んでぐりぐりかき回すおっさんの姿はやはり汚らしいですね。綿棒を使って取っていたとしてもあまり良いものではありません。自分のパートナーが取っている姿も嫌ではないにしろ、見てうれしいものではありません。
 しかし!
 しかしですよ、耳くそ取りを一人でやるからそうなるだけであって、これが膝枕とセットで耳掃除になると話は全く変わってきます。


 夕方。
 縁側。
 赤い光が差し込む中で着物の女が静かに座っている。
 胸元は少しだけはだけ、うっすらと汗ばんでいる。
 女の柔らかな太ももには男の短髪に刈り込まれた頭がのせられていた。
 男は軽くまぶたを下ろしている。

「ぴっちさん、痛くありませんか?」
「ああ、だいじょうぶ。痛くないよ。君こそ、足痛くないかい?」
「大丈夫ですよ。私の太もも、ぽっちゃりさんなので、ぴっちさんの頭の重さくらいどうということはないですよ」
「なにがぽっちゃりなものか。こんなに細い太ももでよく『太もも』と名乗れたものだ」

 男はそう口にしながら、左手を女の足の間に入れようとする。
 女はそれをぴしゃりと叩いて止める。

「もう。ぴっちさんたら。まだこんなに明るいのに」
「ははは。すまんすまん。それにしても日が長くなったなぁ」
「そうですね」

 真っ赤な太陽は二人の姿を朱に染め上げている……



 汚らしかった耳くそ取りが、二人で耳掃除になるだけでいきなり叙情的な空間を生み出すのです。
 まさに裏技。この一点においては「目をこする」というしぐさにも引けを取りません。

 それに比べ、鼻くそ取りは別の呼び方にしても「鼻くそをほじる」「鼻くそをほる」「鼻くそをほぐ」などと汚らしさが倍増しそうな呼び方しかありません。また、いくら美人でも鼻の穴に指を突っ込んでいる姿は笑いを取る事はできても、大抵の場合は汚らしく感じてしまいます。
 さらに言うと、鼻の穴に手を突っ込んでいると「鼻毛を引き抜いている」ようにも見えて、汚らしさがますますUP。鼻の粘膜を傷つけて「鼻血」まで出てしまったら、もう取り返しがつかないでしょう。
 いろいろと考えてみましたが、鼻くそ取りにはいいイメージをつくりあげることは不可能だと思われます。

 それではここでPitch's Garage的な結論をまとめてみたいと思います。
 名称、しぐさから考えて、3者の汚らしさの比率を出してみました。

 [ 目くそ:耳くそ:鼻くそ=1:7:9 ] 

 微妙な感じですが、こんなところではないでしょうか。
 目くそがぶっちぎりできれいですね。やはり決め手は娘(養女)が目をこすりながら寝ぼけて「おとーさーん、大好きぃ〜!」と胸に飛び込んでくるのを想像しただけであんなところやこんなところがはじけそうになってしまうからですよ。娘には耳掃除してもらうのはあまりないでしょうからね。


 結論は既に出たのですが、ついでに科学的にはどれが一番汚いか調べてみました。
 それぞれの成分を考えてみると、目くそは目に入った雑菌に、涙やリンパ球、白血球などが混じって死んだもの。鼻くそは、鼻の粘膜の細胞に、鼻水がついて乾燥したものと空気中のほこりやちり。耳くそは耳の中の皮膚の細胞が剥がれ落ちたものです。ですから、一番きれいなのは耳くそです。
 では、一番汚いのはどれか。
 鼻水は基本的な成分は涙と同じですから、目くそと鼻くそは親戚みたいなものです。ですからエッセンスは両方同じなのですよ。しかし、鼻くその主成分は空気中のほこりですから、一番汚いのは目くそということになります。
 なんと、先ほどの結論ではもっともきれいなはずの目くそが、科学的には一番汚いという結果がでてしまいました。いやはや。
 まあ、成分がいくら汚かろうが愛しい人のものならいっしょなんでしょうけどね。ほら、皆さんだってHのときには(以下略)。




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卒論 口頭試問 (03.05.21)

 部屋の掃除をしていたら、大学時代の恩師の論文が出てきて、なつかしさのあまりしばし読みすすめてしまいました。

 私の担当教授はローマ帝政時代のキリスト教史を研究されています。私は大学入る前に教授が書かれたその論文を読んで大学を決め、なんとかもぐりこむことに成功しました。
 いざ先生に直に会ってみると、細身のいかにもキリスト教史の先生だなぁという感じの温和な老紳士で、学内でもほとんど酒が抜けずにふらふらしていた私にも丁寧に教えてくださる非常にありがたい先生でした。
 そんなこんなで時は過ぎ、大学4年の頃のお話。
 ローマ史を研究してるのは同期でも私だけでした。ですから、先生とほぼマンツーマンでやっていたのですが、ただ私の卒論テーマが

『ローマ帝政初期における避妊と堕胎 〜性意識の変化〜』
(注:ネタじゃありません)

でしたので、退官間近のお歳の先生には刺激が強い内容が多く、『正上位』だの『ビデ』だのいう言葉に時折苦笑しておられました。
 そうこうしながらもなんとか中間発表にこぎつけ、西洋史研究室の先生方の前で発表日。私の研究は内容が内容だけに先生方も食いつきがよく、比較的楽にすすめられました。そんなとき、恩師がいきなり

「ぴっちくん、この『オーラルセックス』について幾つか事例を挙げてください」

 え? 
 ここでですか、先生。
 あせる私。まわりの先生方は苦笑です。

「事例があったほうが他の先生にもわかりやすいと思うのだけれど」
「はぁ」

 先生方、さらに苦笑。
 『オーラルセックス』って書いてありゃ説明はいらんと思うのですが先生! というような雰囲気をかもし出してみますが(どんなんや?)通じていない様子です。しかし、なにやら困っていることだけはわかったみたいで、

「どんな『言葉』を使っていたかだけでいいんだけれどね」

 ついに他の先生は笑い始めました。
 笑ってんならフォローしてくれよと思いつつ、教授に『言葉』じゃありませんよと伝えます。

「『オーラル(口腔)』でする『セックス』だから、猥談言葉責めではないのかね?」
「ちがいますよ、先生」

 まさかジェントルな先生から『言葉責め』って単語が出てくるとは思わず、一瞬ひるんでしまいました。

「では、どういうものなのかね」
「説明した方がいいですか?」
「ええ、してください」

 他の先生方が私のほうをなんだか注目してきました。結局フォロー無しかよ! と思いながら、仕方なく私は胸のポケットに刺していたボールペンを自分の股間の前に突き出し、

「コレを男性のモノだとしますよね」

 そして、そのまま自分の開いた口の中に持っていって前後に動かします

「こういう感じです」
「……」
「逆のパターンとしては、このグラスが女性のアナだとして……」
「……」
「これをこー(口に持っていく)……」
「……ぴっちくん、わかった。もういいよ」

 他の先生、爆笑です。オメーラ、受けてないで教授に説明しろよ! ってマジで思いましたよ。
 その後で教授に、そういう単語の質問は二人の時にしてくださいと念を押したのはいうまでもありません。

 先生はその1年後に退官されたんですが、よっぽどインパクトが強かったらしく、最後のスピーチでも

「人生に勉強の終わりというものはありません。私も齢還暦をすぎて、新しい単語をいろいろと勉強しました。なぁ、ぴっちくん?」

と、ネタにしてくださいました。ありがとうございます。おかげさまで、いま私もネタにできました。
 退官後は神戸の私立女子大で教鞭を振るっています。
「振るうのは教鞭だけにしておかないと身体に毒ですよ、先生」
っていったら、笑って怒られました。

 今はどうされているのかなぁと思う今日この頃であります。



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